星野源『折り合い』と血中星野源濃度

 星野源が2020年6月にリリースしたシングル『折り合い』が素晴らしい。
 まずは、聴いてください。

 すごくシンプルなのに、たくさん情景であったり感情であったりが詰まっている。”Less is more”な一曲。

 MVは、星野源がDAWで打ち込みをしているシーンから始まる。それまでは本格的にDAWを使っていなかったようだが、外出自粛期間中ということで、打ち込みからボーカル録音まですべて自宅で作り上げたとのこと。

 ここからは、僕の話。

 最初に星野源を知ったのは、エッセイ集『そして生活はつづく』だったが、肩書に文筆家を入れるには厳しいなと感じたのを覚えている。
 次の出会いは、2015年のアルバム『YELLOW DANCER』だったか、宮内優里の『ワーキングホリデー』に収録されいてる『読書』(星野源が作詞・ボーカルを担当)だったか。まずは、その声に惹かれた。『YELLOW DANCER』については、曲も良かった。(『読書』もあらためて聴くと歌詞が素敵)

 2016年のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』は、大好きなドラマ。再放送のたびに観ている。自宅にテレビがないというのに。主題歌の『恋』を含むアルバム『POP VIRUS』が2018年にリリースされた。

 僕の人生には不定期に軽いDTMブームがやってくる。2020年に訪れた本格的なDTMブームでは、体調を崩していてPCに向かうことがでないためDAWを利用することができなかった。そこで、Teenage Engineeringのシンセサイザーやトラックシーケンサーを触っていた。
 そんな時に、たまたま購入した『Sound & Recording Magazine 2019年2月号』の星野源特集で、『POP VIRUS』の曲作りにTeenage EngineeringのOP-1やPocket Operatorを利用していることを知る。あらためてアルバムを聴くと、おもしろい音が鳴っている。OP-1やPocket Operatorで直接鳴らしてるということではなく、そういうおもしろさのある音がなっているという意味で。(興味を持って聴くようになったからという面と、自分で作るという行為をすることで、耳の解像度が上がったという面があると思う)

 ちなみに、今回のDTMブームで最初にやったのは『うちで踊ろう』のアレンジだった。その『うちで踊ろう』にしても、『折り合い』にしても、コロナ禍における星野源のスタンスが表明されていて、素晴らしいミュージシャンだという印象がより強くなった。
 経歴を知らなくて、俳優が音楽をやっていると思っていたのだけど、ゲストとの対談集『音楽の話をしよう』を読んで、音楽がバックボーンにあることを知った。

 このサイトの名前にもあるように「折り合い」は、目下のところ僕のテーマとなっている。一昨年の後半に疲れが出始め、昨年、子どもたちの臨時休校で体調もメンタルもどん底に落ちた。そこから這い上がってきてたどり着いたのが「折り合い」というキーワード。
 今年になってようやく『折り合い』の存在を知ったのだけど、この曲のリリースは6月。もう少し体調が良くて、星野源を追いかけていたら、6月にはこのキーワードと出会っていた。と言っても、後悔はしていなくて、僕が「折り合い」にたどり着いた今だからこそ『折り合い』が響いているのだと思う。

 このコロナ禍で、彼は音楽だけでメッセージを発信していくのか、あるいは文章を書く(すでに書いている?)のか。今の時期に書かれたエッセイ集が出るのであれば、僕は必ず読むはずだ。こうして、星野源の魅力に嵌っていくのである。

 ずるい!どんどん好きになっちゃうじゃないですか!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です