リベンジ夜更かし (revenge bedtime procrastination) とは?

 昨年、小中学校の無策な臨時休校で体調を崩してから不眠を極めています。
 クリニックで睡眠導入剤を処方されました。確かに、薬を飲むと寝付きはよくなるのですが、その前に薬を飲もうとしない自分がいる。体はしんどいのに、日付が変わっても布団に入らず、あるいは布団の中で何やら活動している。

 この現象は何なんだ?と思っていたところ、今年になって “revenge bedtime procrastination” という言葉を知りました。日本語だと「リベンジ夜更かし」となるのでしょうか。発祥元の中国だと「報復性熬夜」だそうです。

 ”revenge bedtime procrastination” が広まったきっかけとなったツイート。

 

 日本ではまだ情報が少ないようですので、海外の記事を3つほど要約してみました。

revenge bedtime procrastination とは?

What is revenge bedtime procrastination?

  • 世界中で見られる revenge bedtime procrastination のシナリオ
    • 夜遅く。残業や宿題や家事はすべて終わっている
    • 時計を見ると既に真夜中。寝る準備はできているし、すごく疲れている
    • でも、目を閉じて眠りにつく代わりに他のことをやってしまう。本を読んだり、ドラマを見たり、さらには編み物をしたり
  • 何が起こっているのか?
    • bedtime procrastination はとくに外的な理由がないのに(疲れているにもかかわらず)夜更かしをしてしまうこと
    • revenge sleep procrastination はまだ新しい概念
    • 日中のストレスと bedtime procrastination には関係がある
      • 日中に「欲求への抵抗」をすればするほど、より bedtime procrastination しがちになる
      • つまり、日中に楽しいことが少ないほど、夜に昼間できなかった楽しいことを取り返そう(リベンジしよう)とする
    • COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大の影響でオンとオフの境界が曖昧になっているのも状況をより悪くしている
  • 誰が影響を受けやすいか?
    • 女性と学生
    • 深刻な bedtime procrastination の発生しやすさは、女性は男性の2倍
      • 家事育児の負担があるからではないか
    • bedtime procrastination はZ世代にも多くみられる
  • 健康への影響
    • 不十分で質の低い睡眠は、体とメンタルの両方に影響する
    • 生産性の低下と疲労の悪循環に陥ると頭ではわかっていても、改善が難しい
    • オンとオフの環境を物理的に別けるという解決策がある
    • digital curfew(デジタルデバイスの利用時間を制限する)ことも重要
  • 良い睡眠のためのTips
    • デジタルデバイスは就寝1時間前まで、寝室に持ち込まない
    • 部屋をできるだけ暗くする
    • 就寝1時間前に熱いお風呂かシャワー
    • 日記を書く(心配事や不安な事をすべて書き出す)
    • bedtime procrastination と戦うのではなく受け入れる(ストレスに感じない)
    • 運動をする(ウォーキングで良い)
    • 眠れない場合は寝室から離れる
    • 起床と睡眠の時間を一定にする
    • ナッツ、種、豆を食べる(メラトニンの元になるトリプトファンを摂取)
    • ビタミンDやマグネシウムのサプリメントを摂取
    • 水分補給
    • カフェインの摂取は朝だけにする

revenge bedtime procrastination の心理学的背景

The psychology behind ‘revenge bedtime procrastination’ – BBC Worklife

  • 996スケジュール
    • 中国
    • 朝9時から夜9時までの労働を週6日
  • ある人は、その結果、夜更かしをするようになった
  • それが「報復性熬夜」(revenge bedtime procrastination または retaliatory staying up late)
  • 2020年6月のDaphne K Lee(ジャーナリスト)のツイート(冒頭に掲載)は瞬く間に広まった
  • revenge bedtime procrastination
    • 日中の生活を十分にコントロールできなかった人が、自由を取り戻すために夜更かししてしまう
    • この言葉の起源は不明
    • おそらく中国で普及した言葉だが、現象自体は広く見受けられる
  • 12の国で、62%の成人が十分な睡眠を取れていないと感じている(平日の平均6.8時間)
  • 2018年の調査では中国では1990年以降に生まれた60%の人が十分な睡眠を取れていない
  • メールやメッセージによって「常時仕事中」という感覚になる
  • 娯楽のために睡眠時間を削るのは、長い目で見るとメンタルと身体に害を及ぼす
  • インタビュー対象の全員が、睡眠時間を削ることは不健康だと感じているのに夜更かししてしまう
  • 仕事からの離脱がうまくできないと、ストレス、ウェルビーイングの低下、燃え尽きを引き起こす
  • 就寝前に仕事から解放された時間が取れないとCatch-22(どうしようもないジレンマ)にハマってしまい、睡眠に悪影響を及ぼす
    • 訳注:仕事から離脱するために睡眠を取らないといけないのに、仕事から離脱できないので睡眠を取れない
  • くつろぎの時間が必要。労働者には仕事以外のことも必要。ひとつのことだけやるというのはリスクがある
  • パンデミックにより work-from-home (リモートワーク)が増えたが、それによりオンとオフの境目がより曖昧になるケースが出てきた

Revenge Bedtime Procrastination: 定義と心理学

Revenge Bedtime Procrastination: Definition & Psychology | Sleep Foundation

  • revenge bedtime procrastination は、日中の自由時間が足りずにできなかった娯楽のために睡眠を犠牲にすること
  • 高ストレスの職種の場合、revenge bedtime procrastination は2、3時間の娯楽時間を取るための方法である(睡眠不足になったとしても)
  • revenge bedtime procrastination の行動パターン
    • トータルの睡眠時間が減るような夜更かし
    • 何かしらの出来事や基礎疾患など特別な理由もなく夜更かししてしまう
    • 夜更かしによって悪い結果になることは頭ではわかっている
  • リベンジとは?
    • revenge bedtime procrastination は、個人の楽しみの時間が取れないストレスフルな労働時間を反映した中国語に由来する
    • bedtime procrastination は日中の自由時間のなさに対する「リベンジ」である
    • 中国で広まっていた言葉だが、COVID-19(新型コロナウイルス)によるストレスもありその考えは世界中でも広まった
  • 最も影響を受ける人は?
    • 学生と女性が bedtime procrastination に陥りやすいという研究結果がある
    • revenge sleep procrastination は日中のストレスと強く結びついているようだ
    • COVID-19 による stay-at-home(ステイホーム)によっても引き起こされる可能性がある
  • bedtime procrastinationの影響は?
    • 睡眠不足により心と体は回復せず、健康に悪影響を及ぼす可能性がある
    • 睡眠不足は思考、記憶、意思決定の能力を低下させる
    • 睡眠不足は、自己調整や衝動のコントロール能力を低下させる(つまり、悪循環に陥ってしまう)
  • 解決策は?
    • 就寝前のルーティンを作る
      • 休日も含めて就寝時間と起床時間を一定にする
      • 夕方以降のアルコールとカフェインを避ける
      • 就寝30分前には電子デバイスの利用をやめる(長いほど良い)
      • 読書、瞑想、軽いストレッチなどリラックス法も有効
    • 就寝環境を整える
      • 暗くて静か
      • 快適なマットレスや寝具

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